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2021年8月31日火曜日

Bach100: リュートで聴く「組曲 ホ短調」BWV996 なかなかいい雰囲気 ♪

「J.S.Bachの作品100曲を聴く」《Bach100BWV🎧》プロジェクト、今日からはバッハのリュート作品を聴こうと思っている。

まずは、「組曲 ホ短調」BWV996。編曲ものではなく、この中の「ブーレ」が有名だということで最初にこれを聴くことにした。ブーレ以外も部分的に聴き覚えがあった。


BWV996 🎼バッハ(1685-1750)の作品一覧/Wikipedia


バッハのリュート作品としては次の 7曲が知られている。うち 3曲は、チェロやヴァイオリン曲からの編曲である(原曲を "<" で示した)。

  • 995:組曲ト短調 <BWV1011 無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調
  • 996:組曲ホ短調
  • 997:パルティータ(組曲)ハ短調
  • 998:プレリュード、フーガとアレグロ 変ホ長調
  • 999:プレリュード ハ短調
  • 1000:フーガ ト短調 <BWV1001 無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番ト短調の第2楽章
  • 1006a:パルティータ ホ長調 <BWV1006 ヴァイオリンパルティータ第3番ホ長調

他に、リュートが使われている作品としては次の 3つがある。

  • BWV245 ヨハネ受難曲初稿 1724年(No.19 アリオーソ)
  • BWV244b マタイ受難曲初稿 1727年(No.56 レスタティーフ,No.57 アリア)
  • BWV198 カンタータ「候妃よ、さらに一条の光を」 1727年(全曲、2台のリュートによる通奏低音指定)


バッハ自身はリュートは弾けなかったという説が多いようだ。その一つの理由として、リュートで一般的な「タブラチュア」(タブ譜)と呼ばれる演奏譜ではなく、通常の五線譜(2段)に書いていたことがあげられる。

また、チェンバロで弾いていたかも知れないとも言われている。

BWV998 の自筆譜にははっきり「リュートまたはチェンバロのための」と書かれている。また、BWV996 は「ラウテンヴェルク」(Lautenwerk)=「リュート・チェンバロ」のために書かれた可能性もある。

なので、これらの作品はリュート、その現代楽器であるギター以外に、チェンバロでも演奏されることが多い。


リュートという楽器にもリュート奏者にも疎いので、先人の知恵を拝借することにした。

ドイツの奏者コンラート・ユングヘーネル(Konrad Junghänel、1953〜)という人が、『バッハ:リュート作品全集』という CD(↓)を出しているが、「世間ではこれが定番といわれることも多い」そうだ(*1)。

使用楽器は、1984年製の 13コースのバロックリュート(ニコ・ヴァン・デア・ヴァールス作)で、録音は 1988〜1989年。

『バッハ:リュート作品全集』



ちなみに、上の楽器の「13コース」はギターでいうと「13弦」に近い。…のだが、リュートでは、最高音(1つまたは 2つ)以外は 2本の弦を張るので、「コース」という言い方をする。

2本の弦からなるコースでは、ユニゾン(同音)またはオクターブに調律される。


YouTube ではコンラート・ユングヘーネルの演奏が見つからなかったので、下記の音源を聴いた。奏者は Evangelina Mascardi という人で、嬰ヘ短調に移調して弾いている。

リュートでは弾きやすい調に移調したり、リュートの調律を変えたりすることは結構あるようだ。とくに、バッハの曲は弾くのが困難な場合が多いとのこと。



コンラート・ユングヘーネルの CD は Spotify で聴いてみたが、ユングヘーネルの方が陰影に富んでいて雰囲気があって、個人的にはいいと思った ♪

YouTube で見つかったユングヘーネルの音源は BWV995 組曲ト短調のプレリュードだけ。ご参考まで…。



チェンバロでの演奏も聴いてみた。ちょっと雰囲気が変わる。別の曲のようだ。でも、どちらもそれなりにいいと思う ♪

演奏はフランスのチェンバロ奏者、オリヴィエ・ボーモン(Olivier Baumont, 1960〜)。



ギターでの演奏も先人の知恵(*1)をお借りして、スウェーデンのギタリスト、イェラン・セルシェル(Göran Söllscher、1955〜)の演奏を聴いてみた。楽器は11弦ギター。

なかなかいいのだが、雰囲気(バロック時代の?)という意味では、やはりリュートの演奏が好きかも…(^^;)?



以上、主な出典記事は下記。

✏️*1 バッハとリュート(2) バッハのリュート独奏(音楽の部屋>バッハと音楽)

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