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2020年2月27日木曜日

フジ子・ヘミングを読んで・聴いて・見てみた ♪

少し前、たまたまフジ子・ヘミングのドキュメンタリー番組を観た。で、その翌日図書館に行ったとき、何気なく『フジ子・ヘミングの「魂のことば」』という本を借りた。

読んでみるとそれなりに面白いところもあったので、YouTube でいくつかの演奏を聴いてみた。「月の光」がとても良かった ♪

絵も描く人だと知って、ネットで見てみたらこれがなかなかのものだった…(^^)。


フジ子・ヘミング「迷い猫」(銅版画)


調べてみると、TVで観たのはNHKの「ファミリーヒストリー」という番組(↓)だったようだ。ご参考までに、再放送は「2月28日(金) 午前0時55分」となっている。

✏️フジコ・ヘミング~母の執念 魂のピアニスト誕生~


彼女の生い立ちや苦労話はなんとなく知ってはいたが、本当に辛い思いをされたことがこの番組で分かった。本人の話(話し方?)もなかなかユニークでよかった。


実は、ピアニストとしてのフジ子・ヘミングにはそれほど興味がない。私のピアノ音楽に対する好みとはかなり距離がある人だと思っているので…。

なので、このブログでも彼女のことを取り上げたのは、たまたま「フジ子・ヘミング現象」という記事を読んだときの1回だけ(↓…だと思う)。

《日本クラシック界の「ドメスティックな専門家」vs「音楽ファン」?》


で、今回改めていくつか聴いてみたのだが、ドビュッシーの「月の光」(↓)はとてもよかった。音が美しいし、この曲を余すところなくゆったりと表現していると思う。

♪ フジ子・ヘミング~月の光


この YouTube 音源にはたくさんのコメントがついているが、なるほどと思ったのは「クラシックでブルーズを感じるのはこの人だけ」という書き込み。

「ブルーズ」と言ってもいいし「演歌」と言ってもいいような気がする。


そして、読んだ本は『フジ子・ヘミングの「魂のことば」』という、名言集のような作りの本(↓)である。その中で、とくにいい言葉だと思ったものを下に抜書きした。

ピアノについては「音を大事にする」と「曲の中で指の練習をする」が気に入った ♪





「クラシックの世界では、足の引っ張り合いとか、つまらないことが多すぎる。そういう人たちが演奏をすれば、ちっとも楽しくない音楽になるのはあたり前でしょ」

「死ぬ人は、その人が死ななければ贈れない最善の贈り物を後の人に残していく」

「いくつになっても、夢に向かって進めばいい。…
私も明日こそ、来週こそ、もっとうまい演奏ができるといつも信じていた。そう信じていると、不思議なことにそうなるものよ」

「…いくら貧しくても、心まで貧困になってしまったらお終い。…」

「初心者はピアノを弾くための指の練習なんかしないほうがいい。曲の中には、とんでもなく難しい部分があるでしょ。私はその曲の中で、指の練習をすることにしているの。人生は、指の練習をしているには短すぎるし、第一、意味がないもの」

「大事にしているもの? それは”音”。私だけの”音”よ。誰が弾いても同じなら、私が弾く意味なんかないじゃない」

「トルストイは、『他人に対して、どうあるべきかを押し付けてはいけない』という言葉を残した。…」


本で語る言葉も、ピアノの演奏もとてもいいと思うところがある。一方で、この人の本をぜんぶ読んでみたいとか、他の演奏をもっと聴いてみたいという気にはなぜかならない。

一方で、今回私が一番気に入ったのが「絵」かも知れない。と言っても、ネットで(パソコンで見る画質で)限られた数の作品を見ただけではあるが…。

例えば、ギャラリー萌の「フジ子・ヘミング」のページにはいい絵がいくつも並んでいる。

その中で、私が一番気に入ったのが最初に載せた「迷い猫」という素朴な絵。少ない線だけで、猫に対する優しさがとてもよく表現されていると思う。この線は本物だ ♪

いろんな才能に恵まれた人だというのが窺い知れる。


おまけ。いろいろ見ていたら、なんとアマゾンでもフジ子・ヘミングの絵(版画)が売っていた。このちょっとふっくらとした天使もなかなか魅力的だ…(^^)♪

タイトルからすると自画像?


銅版画 絵画 ピアニスト フジ子・ヘミング 「天使」 額付き




もう一つおまけ。TV放映の影響なのか、アマゾンの『クラシックの売れ筋ランキング』で1位から5位までをフジ子・ヘミングが独占していた!

一時的なものかも知れないので、スクリーンショット(↓)を取ってしまった…(^^;)。





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