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2019年11月7日木曜日

ショパンコンクール2020をVRで楽しもう ♪!?

来年、2020年のショパン国際ピアノコンクールで、なんと! VR(ヴァーチャル・リアリティ:仮想現実)でのネット配信が行われるそうだ。

ピアノコンクールの多くはネット配信を行うのが当たり前になってきた。ネットを通じてコンクールを楽しむファンにとって、VR配信はどんな価値をもたらすのだろう? 音楽をよりリアルに(生演奏を聴くように…)味わえるようになるのだろうか?


Martha Argerich talks to the press after winning the International Chopin Competition in 1965


公式サイトではまだ発表されていないようで、"Slipped Disc" の記事と、"Pianist Magazine" の記事(↓)で知った。

ちなみに、上の写真は 1965年のアルゲリッチの優勝インタビュー(下記記事からお借りした)。この時代はラジオかテレビ放送くらい? 日本からは聴けなかった…のかな?

✏️The International Chopin Competition announces major technological advances for 2020 edition


クラシック音楽のイベントでは世界初となる "virtual reality streaming"(VRストリーミング配信)は、ステージ上のピアニストの視点からそのパフォーマンスを体験できる…と書いてある(↓)。ただし、そのためには「VRゴーグル」が必要となる。

"to experience performances from the pianist’s perspective on the stage of National Philharmonic Hall in Warsaw"


「VRゴーグル」とは、例えばこんなの(↓)だ。



ただ、VR配信のために、演奏するピアニストの近くに「VRカメラ」を置くそうだが、「ピアニストの視点」での臨場感を…となると、かなり近くにカメラが置かれるのでは?と思う。コンテスタントの皆さんにとって邪魔・迷惑にならなければよいのだが…(^^;)。


VRストリーミング配信以外にもいくつか新しいことをやるようだ。

「VRゴーグルをお持ちでない皆さんに…」ということで、世界各地に "Listener Zones" というのが設けられる。サッカーやラグビーのパブリック・ビューイングみたいなものか…?

場所としては、モスクワ、ブエノスアイレス、東京、ソウル、パリ、ロンドン、ニューヨークなど。VR画面も観ることができたり、専門家などのコメントが聞けたり…というライヴ・コンサートの生中継みたいなことをやるらしい…。

でも、ロックコンサートじゃないんだし…聴衆は一体どういう盛り上がり方をするんだろう? そもそも、どれくらいの人が集まるんだろう?…という気がしないでもない。


それから、従来のネット配信も "4K Ultra HD" になるそうで、今までより高精細な画面とより良い音質で楽しむことができるそうだ。

さて、私の Mac で "4K Ultra HD" を楽しむにはどんな機材(やソフト?)が必要なのか、1年かけて調べなくっちゃ ♪ 今持ってるイヤホンじゃダメだろうなぁ…(^^;)。


上の記事によると、前回 2015年のショパンコンクールでは、YouTube だけで 6,000万ビューの視聴があったそうだ。コンクールのディレクター Dr Artur Szklener 氏はこれをもっといろんな形で増やしたいと意気込んでいるようだ。

ちなみに、開催時期は来年の 10月2日〜23日。応募の締め切りは来月初め(12月1日)。まだ、間に合うよ…(^^;)。


おまけ:ちょっとだけ、個人的感想。

今や、いろんな分野にインターネットが当たり前のように使われるようになって、国際ピアノコンクールも、ネット配信のあるなしで、コンクール自体の存在感も大きく変わるような時代になった(…と思う)。

ピアニストの存在やその演奏も、かなりの部分、ネットを通して知ることが多くなった。なかでも、コンクールは新しいピアニストを知る格好の機会になっている。

ほとんどの(大きな)コンクールがネット配信を行うようになると、さらにより良い配信を目指して、音質や画像の品質を上げたり、付加情報の量を増やしたり、イベント性を高めたり…といろんな差別化が行われるのも自然な流れとも言えるだろう。

ただ、ちょっと心配な面もある。ナントカ五輪と同じで、「ピアニスト・ファースト」であるべきピアノコンクールが妙な方向に行きはしないかという懸念である。国際ピアノコンクールはショービジネスではないはずだ。

ピアノ音楽を愛する聴衆の一人としても、素晴らしい演奏をじっくり聴ける環境が欲しいと思うし、コンテスタントの皆さんにはその実力をいかんなく発揮できる環境を整えてあげて欲しいと願っている。



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〈ショパン国際ピアノ・コンクール2015 [まとめ]〉


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