《この1年のピアノライフに思いを巡らしてみる…》
ふと思ったのは、今回はいつもと少し様子が違うような気がしている。これまでの「モヤモヤ」が消えたかも知れないのだ。少なくともかなり薄まってきているような…?
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なぜ「モヤモヤ」は消えたのか? いや、まだ消えたと決まった訳でもないのだが…。
これまでの「モヤモヤ」の主な中身を思い出してみると、こんな感じ(↓)だと思う。
- 練習が進まない、あるいは「頑張り」に比例した「上達」が感じられない
- 弾きたい曲の難易度が私の実力を大きく上回っている
- 「いい音楽・いい演奏」とそうでないものとは何が違うのか?
1. については「まぁ実力だし…歳も歳だし、しょうがないか…」という諦めに似た心境なのかもしれない? ピアノというものは、頑張れば頑張ったぶん上達する…といった簡単なものではないし、時間もかかるものだ。…と悟ってしまったか?
これまでの「大人には大人ならではの効率の良い練習方法があるはずだ」という信念?が揺らいできたのか? 結局、ちゃんと練習するしかないのだ…と。
まぁ「大人ならではの効率の良い練習方法」については、いまだに密かに?「ある!」と信じているのだが…。
いい材料として一つあるのは、バイエルを使った「手元を見ないで弾く」練習の効果が、少しずつではあるが出てきたような気もしていること。いま練習しているパルティータでも、これまでよりも弾きやすくなった感覚がある。今後の上達の余地あり…(^^)?
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2. の「弾きたい曲の難易度が私の実力を大きく上回っている」点についても、結局のところ現実(弾けない曲は弾けない…)を認めるしかないと、たぶん思っている。
だから、それに対してブツブツ不満を言っても(モヤモヤしても)しょうがない訳だ。
諦めたという感覚ではなく、一つ一つの曲で個別に具体的に考える、あるいは試すしかないのだろうということだ。
思ったのは、「難易度」というのは単純な一つの物差しではないということである。
初心者も上級者も(上級者のことは推測でしかないが…)一人ひとり得意・不得意があると思う。私で言えば、対位法は不得意である。得意な分野というのは思いつかないが、ベートーヴェンなんかは少なくともとっつきやすい。
例えば、バッハの「2声のインヴェンション」は「28段階難易度」で 13〜16 なのだが、いまだに弾けない。一方、難易度 20 を超えるベートーヴェンのソナタは、相当に苦労はするものの何とか自己満足できるレベルでは弾いた(練習した)経験がある。
…ということで、弾きたい曲はとりあえずチャレンジしてみる。どうしても歯が立たないようだったら諦める。まぁ、それでいいのではないかと思っている。
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3. の「いい音楽・いい演奏」の話は、ちょっと傲慢な言い方をすると、「大体とところは分かった」「自分の感受性を信じるしかない」…という感じだろうか…(^^;)?
これまでは、例えば「いいピアノ演奏」は、音色がきれいで粒立ちがいい、音のパレットが豊富で使い分けがいい、音楽が聴こえる、情報量が多い、語り口に説得力がある…などと言葉で説明しようとしてきた。
「いいピアノ演奏」の定義を試みていた、と言ってもいいだろう。ところが、最近思うのは「自分がいいと思うのはいい演奏」、直感的に「いい!凄い!」と思う演奏や「いつまでも聴いていたい」と思う演奏はいい演奏。"That's all!" という感じなのだ。
いい演奏とそうでない演奏の違いを知りたい、と思っていた理由の一つは自分で納得したい、ということだったのだが、もう一つは、自分が弾くときにも下手は下手なりに「いい演奏」に近づきたかったから、というのもあった。
それは、今でもあるのだが、それは結局、弾きながら自分の耳でよく聴いて判断するしかないのだと思い始めた。「いい演奏」を作り出すための安直な「技術」というものはないのだ、たぶん…。もちろん、その基礎となる「技術」はあるのだろうが…。
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…と、「モヤモヤ」はほとんど消えたかも?ということを書いてきたのだが、現時点の「モヤモヤ」を改めて整理してみただけ、になったのかも知れない…(^^;)?
ただ、以前よりは少し割り切れてきた感はあると思う。いま考えると、そのあたりが《2018年 My Piano Life の目標 ♪》に書いたこと(↓)につながっているのかも知れない。
- 自分が音楽を奏でているという感覚を身につける
- ピアノを弾けるという感覚を身につける
この目標の中身が何なのか?というのが次の「モヤモヤ」になりそうな予感も…(^^;)?
【関連記事】
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《2018年 My Piano Life の目標 ♪》
初めまして。
返信削除お読みになられているピアノ本の紹介、いろいろと参考にさせていただいております。
その本のチョイスが私と被っている部分があったので、(誠に勝手ながら)共感を覚えました。
よろしくお願いいたします。
ピアノに関する「モヤモヤ」を抱えているとのことですが…もしかしたら、以下の書籍が「モヤモヤ」解消の助けになるかもしれないと思い、コメントさせていただいております。もしお時間があればご参考いただければ幸いです。
1. 「頑張り」に比例した「上達」が感じられない
→ 参考書籍『ミスタッチを恐れるな』
コメント: この書籍から「大人ならではの効率の良い練習方法」が見つかるはずです。
2. 弾きたい曲の難易度が私の実力を大きく上回っている
→ 参考書籍『ピアノ・テクニックの科学』
コメント: 読み解くのは大変難しいですが、実力の大幅upが見込めると思います。
3. 「いい音楽・いい演奏」とそうでないものの違い
→ 参考書籍『楽譜を読むチカラ』
コメント: すでに読まれていると思いますが、「いい演奏」を作り出すための「技術」は、すでにこの書籍でまとめられている(曲を各パラメータに分解し変化を作る、など)、と私は感じました。
上記で挙げた3冊は、書籍『シャンドール ピアノ教本』や『ピアニストの脳を科学する: 超絶技巧のメカニズム』を読んで目から鱗だった人には特にオススメしたい書籍だ、と私は感じています。
僭越ながら、私も書籍レビューを書いております。ご興味があれば、私のブログの「ピアノ書籍」の項をご覧いただければ幸いです。
リトピさん、初めまして ♪ 丁寧なコメント、ありがとうございます。
返信削除リトピさんも理系なんですね。本のチョイスの傾向は似ているかもしれませんね。ご紹介の本、参考にさせて頂きます。
ブログ『ちび理系男子の独学ピアノ・ライフ ~「脱力」は敵だ!~』も拝見させて頂きました。視点が面白そうなので、またあとでじっくり読ませて頂こうと思います。これからもよろしくお願いします。 ぴあ
ぴあ 様、
返信削除ご返信ありがとうございます。
本のチョイスが似ているのは理系だからかもしれませんね。
ブログの閲覧、ありがとうございます。なかなかピアノという楽器演奏について理系目線で考えている人は少ないようなので、私のブログが閲覧者様らの新たな発見・気づきの場になれば、と思っております。
こちらこそ、もしよろしければ今後もよろしくお願いいたします。
リトピ