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2016年3月30日水曜日

最もポピュラーなクラシック音楽は「ひばり」?

クラシック音楽で、もっともポピュラーな曲は?ベートーヴェン?、モーツァルト?…。

Classic FM のサイトで、2015年のクラシック音楽の人気投票ランキングが発表された(3月28日)が、意外な曲が1位になっている。

✏️The Lark Ascending reaches the top of the Classic FM Hall of Fame for the third year in a row




"The Lark Ascending"(揚げひばり)というのが曲名で、ヴォーン・ウィリアムズ(Vaughan Williams、英国)作曲のヴァイオリン独奏とオーケストラによる楽曲である。YouTube で聴いてみた(↓)が、残念ながらまったく知らない曲だ。

Vaughan Williams ~ The Lark Ascending


ヴォーン・ウィリアムズという名前は聞いたことがあるが、どんな作曲家かほとんど認識していない。Wikipedia によると、

ロンドンの王立音楽大学で作曲を学び、在学中にホルストと知り合い親交を深める。民謡の採集や教会音楽の研究を通して独特の作風を確立し、イギリス人による音楽の復興の礎を築いた。イギリスの田園風景を彷彿とさせる牧歌的な作風は、広くイギリス国民に愛されている。日本では『惑星』で知られるホルストに比べて知名度が低いが、欧米ではホルストより高く評価されている

…とのこと。


このランキングの上位20曲(↓)をみると、3位にも Vaughan Williams の「トマス・タリスの主題による幻想曲」という曲が入っている。「揚げひばり」は、2位のラフマニノフのピアノ協奏曲とは、この7〜8年間、ずっと1位2位争いをしているようだ。

  1. Vaughan Williams: The Lark Ascending
  2. Rachmaninov: Piano Concerto No. 2
  3. Vaughan Williams: Fantasia on a Theme by Thomas Tallis
  4. Elgar: Enigma Variations
  5. Beethoven: Piano Concerto No. 5 (‘Emperor’)
  6. Allegri: Miserere
  7. Mozart: Clarinet Concerto
  8. Beethoven: Symphony No.6 ('Pastoral')
  9. Beethoven: Symphony No. 9 (‘Choral’)
  10. Elgar: Cello Concerto
  11. Bruch: Violin Concerto No. 1
  12. Barber: Adagio for Strings
  13. Tchaikovsky: 1812 Overture
  14. Holst: The Planets
  15. Jenkins: The Armed Man: A Mass for Peace
  16. Pachelbel: Canon in D major
  17. Uematsu: Final Fantasy
  18. Dvořák: Symphony No. 9 (‘From the New World’)
  19. Beethoven: Symphony No. 7
  20. Bach: Brandenburg Concertos


それにしても、クラシック音楽作品のランキングと聞いて想像するものとはかなり趣が異なっている(ように私には見える)。

4位のElgar(エドワード・エルガー、英国)は、行進曲の「威風堂々」と言われれば分かるが、「エニグマ変奏曲」も10位の「チェロ協奏曲」もまったくピンとこない。

6位の ♪ Gregorio Allegri: Miserere は、聴いたことがあるかも知れない。

11位、12位の Bruch(マックス・ブルッフ、ドイツ)、Barber(サミュエル・バーバー、米国)は一応、名前は知っている。

15位の Jenkins(カール・ジェンキンス、英国)の名前も聞いたことがない。ジャズ系ミュージシャンらしい。


…とここまでチェックして、ちょっと待てよ、"Classic FM" とはそもそも何?と思った。で、遅まきながら調べてみると、

イギリスで1992年に誕生し、たちまち大ブレイクして欧州クラシック・メディアの最大勢力の一つにまで急成長した民間放送局」だそうだ。(2007年の日経ビジネス記事)

どうりで、英国の作曲家が多いわけだ。たしかに、サイトの "Listen" をクリックしても、「UK(英国)でしかダメ」と出てくる。


でも、17位に "Uematsu: Final Fantasy"(植松 伸夫: ファイナルファンタジー)がランクインしている。ゲーム音楽も、映画音楽と同じように「クラシック音楽」として扱われているわけだ。

ちなみに、このランキングを35歳以下に限った人気投票で集計した結果が次の図である。ファイナルファンタジーはトップになっている。私自身はゲームには疎いのだが、2位なんかもゲーム音楽のようだ。




その他の情報をパラパラ見ていると、存命中の作曲家の曲で、一番上位に来ているのが、

75位 Jay Ungar(米国):♪ The Ashokan Farewell

一番若い作曲家が、

270位 Jeremy Soule(米国、39歳):The Elder Scrolls

となっている。


カール・ジェンキンス(Karl Jenkins)とジェイ・アンガー(Jay Ungar)あたりは、作曲家探索に入れようかと考えているところ。ただし、ピアノ曲があるかどうかチェックしてみないと…。



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