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2016年2月10日水曜日

効果的ピアノ練習方法発見!か?:反復練習のやり方

効果的・効率的なピアノの練習方法(のヒント)を見つけた。…かもしれない。

"Scientists have found a way to help you learn new skills twice as fast" という英語の記事(※追記@2023/02/27:現在はリンク切れ)だが、「新しいスキルを2倍速く学べる」のタイトルの上にこんな(↓)写真がある。これは読まなくちゃ!ということで頑張って読んでみた。




簡単に言うと、反復練習をするときに、まったく同じことを繰り返すよりも、ほんの少しパターンを変えて練習した方がはるかに効果が大きい、ということのようだ。

ジョンズ・ホプキンス大学の Pablo Celnik 博士という人の研究で、実験(ピアノではないが…)の結果、少なくとも一つの例で実証された、ということらしい。


実験は、パソコン上のカーソル操作のような(たぶんゲームのような?)課題で行われた。被験者を3つのグループ(G1、G2、G3)に分けて、45分間の練習を行う。「A′」は「A」をほんの少し変えた内容。

G1:パターンAで練習(1回のみ)
G2:パターンAで練習→6時間後→パターンAで練習
G3:パターンAで練習→6時間後→パターンA′で練習

結果は、1回しか練習しなかったG1がもちろん成績が一番悪く、その次がG2、そして、G3が一番良くて、場合によっては2倍以上の成績だったとのこと。


ポイントは、「ほんの少し」変えること。ピアノの例で言えば、ハノンの練習で、付点のリズムに変えたり、アクセントの位置を変えたり、というのが当てはまるのかもしれない。

この結果は、スポーツとか楽器演奏とかリハビリとか、身体を動かして新しい技(動き)を習得するようなもの(英語で "motor skill" という)にはすべて当てはまるそうだ。


そもそも、反復練習は、脳の神経回路に動きを覚えさせることが主眼である。もちろん、筋肉にそういう動きに慣れさせる、あるいはその動きに必要な筋肉などを鍛える、ということもあるだろうが、筋肉より脳が重要らしい。

「練習の生理学(1)脳や筋肉がどのように変化するか?」というピティナの記事に、基本的な仕組みが解説してある(↓)。

『指をどの順番で動かすか』を記憶するにつれて、運動に関連する脳部位(運動野)の活動が強くなる…。これを運動記憶の増強(Consolidation)といいます。


で、この「増強」のために必要なことが2つあるそうだ。

●練習して覚えた動きが脳の中で定着・増強されるためには「レム睡眠」が必要

●まったく異なるパターンを練習する場合、続けてやると効果がない(数時間の間をあける必要がある)

2番目はちょっと分かりにくいのだが、パターンAを練習してすぐに別のパターンBを練習すると、Bの練習がAの運動記憶の邪魔をするとのこと。専門用語では「干渉(Interference)」という。

ジョンズ・ホプキンス大学の実験で6時間の間をおいているのは、この理由によるものと思われる。


また、ほんの少し変化させた方が効果が高いのは "Reconsolidation" という脳の働きによる。「増強(Consolidation)」に "re"(再び)がついたもの。すでに覚えているものを脳が思い出して、新しく練習したもので強化・修正して覚え直す仕組みのようだ。

まあ、まったく同じことを繰り返すのは飽きてくるし、何となく分かるような気はする。


前置き、というか理屈が長くなったが、これを読んで練習方法を考えてみた。上記の理屈以外に、いくつかの経験則(↓)も考慮に入れることにする。

●反復練習では、集中力が落ちてくるとミスが増える(元音大生のカミさんが子供を教えた経験から、反復の限度は4回位)

●ミスを反復練習すると「ミスするパターン」を覚えこむことになってしまう

で、考えた練習方法。難所などの苦手パターンを反復練習する場合、

1日目:反復練習4回(最初はミスしないテンポで)
2日目:バリエーション1の反復練習4回
3日目:バリエーション2の反復練習4回
 :


問題は「ほんの少しのバリエーション」は「難所攻略」の場合、どうなるのだろう?ということ。まさか、付点のリズムに変えてみる訳にもいかないし…。とりあえず思いつくことを書いてみると…。

・強弱の変化をつける
・タッチを変える(スタッカートとか)
・弾き方を変える(指を寝かせるとか)
・テンポを変える
・アクセントをつける(場所を変えて)


1月に練習したバッハのプレリュードを「レパートリー化」したいと思って、毎日1〜2回通し練習をしている。が、いつも間違える箇所がいくつかある。

なので、とりあえずは、その箇所を上のやり方で反復練習して、効果を見てみようかと思う。実際にやってみれば、より効果のありそうな「ほんの少し」のバリエーションも見つかるかもしれない。

これがうまくいけば、「大人の効率的な練習方法」の一つになるはず♪(大人には限らないか…)



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