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2016年2月4日木曜日

レコード芸術「ディスク・ランキング2015」にみるピアニスト

「ベスト・ディスク・ランキング2015」という特集が目に付いたので、「レコード芸術」(2月号)をパラパラとめくってみた。どんなピアニストがランクインしているかを見ると、それなりに面白い。




ディスク(CD、DVD等)の2015年の1年間のランキングが載っているのだが、「読者ランキング」と「執筆陣ランキング」と「ベストセラー」で、選ばれたものがかなり違っている。

第1位と、ピアノに関係するものだけ抜き出してみるとこんな感じ(↓)だ。10個のうち3〜4個がピアノ関係というのは嬉しい。★をつけたのは、レビュー記事にも選ばれたもの。


読者ランキング

1位:ストラヴィンスキー:春の祭典
2位:ラヴェル:ピアノ協奏曲、左手のためのピアノ協奏曲、他(ユジャ・ワン)
3位:★ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第30番、第31番、第32番(田部京子)
5位:シューベルト:ピアノソナタ18番・21番(伊藤恵)
7位:ブラームス:ピアノ協奏曲第1番&第2番(Pf:バレンボイム)

バレンボイムが指揮ではなくピアノで入っているのは個人的には嬉しいのだが、ユジャ・ワンより下かぁ…。田部京子さん、伊藤恵さんという日本人の中堅?ピアニストが入っているのは意外だったが、もう少しちゃんと聴いてみるか…。

ただ、この「読者」というのが、年間100枚〜1000枚以上を買う人が44%もいるような集団なので、ちょっと偏っているかもしれないが。


執筆陣ランキング

1位:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 & ニコラウス・アーノンクール ~ シューベルト・エディション
3位:★ザルツブルク・リサイタル(ソコロフ)
6位:★シューベルト:ピアノ・ソナタ第18・21番 他(Fp:シフ)
10位:バッハ:チェンバロ協奏曲(Ch:シュタイアー)

グリゴリー・ソコロフは、レビュー記事によると録音嫌いでほとんどCDを出してないようだ。このCDも「“現存するもっとも偉大なピアニスト”のほぼ20年ぶりのアルバム」だそうだ。去年発売だが、演奏は2008年のザルツブルク音楽祭のもの。

執筆陣のセレクトは海外勢のみ。それにしても「伝説の」ソコロフ、フォルテピアノを弾くシフ、チェンバロのシュタイアーって、渋いな〜。


ベストセラー

1位:挑戦! ブラバン少女
5位:辻井伸行 印象派コレクション~テレビ東京「美の巨人たち」テーマ収録
6位:ポップ・ミーツ・クラシカル(ピアノ・ガイズ)
10位:ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集(ポリーニ)

こちらは「人気投票」みたいなものか…。レコ芸の読者とはかなり違う層に見える。それにしても、1位の精華女子高等学校吹奏楽部の人気はまだ衰えてないんだ〜。

ピアノに関するこちらのランキングは、ある意味「なるほど〜」である。有名なピアニストとTVのテーマ曲の組み合わせ、ネットで評判になったピアノ・ガイズ(The Piano Guys)、そして巨匠ポリーニ。

それにしても、「500枚売れたらヒット」というクラシック音楽業界、ランクインしたCDは何枚くらい売れたんでしょうね?


レビューに選ばれていたもの(上で★をつけたもの以外)

★ベートーヴェン:悲愴・月光・熱情(アファナシエフ)

アファナシエフって少し(かなり?)独特なピアニストで、個人的にはあまり好みではないのだが、なぜか人気がある、不思議な人だ。

★J.S.バッハ : フーガの技法(シュ・シャオメイ)

私のお気に入りピアニストの一人、シュ・シャオメイ(→《シュ・シャオメイ:多彩な音色と豊かな表現力をもつ正統派》)。彼女のバッハはなかなかいい。


「レコード芸術」という雑誌の特徴(年間数十〜数百枚のCDを買う人が読んでる…)もあると思うので、このランキングはあくまで一つの参考だと考えたほうがよさそうだ。とはいえ、なかなか興味深いランキングではある。



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