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2015年8月19日水曜日

リーズ国際ピアノコンクールの有力候補を聴く

リーズ国際ピアノコンクールがあと1週間ほどで始まる。出場するピアニストのことをほとんど知らないので、少し調べてみた。

が、検索してもほとんど情報が出てこない。かろうじて、「リーズ国際ピアノコンクール」というブログ記事に何人かの名前があがっていた。

その中で「注目」とあった2人を聴いてみた。


1人目は、アルセニー・タラセビッチ・ニコラエフ(ロシア:Arseny Tarasevich-Nikolaev)。青柳いづみこさんのFacebook記事に簡単な紹介(↓)があった。1995年生まれの20歳。

ニコラーエフはかのタチアナ・ニコラエワのお孫さんで、ドレンスキーのお弟子さん。今年はリーズとショパン・コンクールの両方に参加を承認されている。

その記事に書いてあるロシアン・ピアノスクール in 東京 2015という催しに、モスクワ音楽院からの招聘学生として参加していたらしい。つい先週のことである。


とりあえず、YouTubeでいくつかの音源を聴いてみた。


ルービンシュタイン・コンクールの第1ステージの録画である。曲目は、Haydn Sonata C-moll Hob. XVI/20、Chopin Ballade No. 2、Debussy L'isle Joyeuse、Ravel Gaspard de la Nuit。

第一印象としては、音がきれいで達者に弾いている感じ。なのだが、何となく音が軽くて深みがないような気がする。ショパンのバラードのフォルテはやや乱暴に聴こえる。頑張って弾いているわりには、引き込まれるものがない。



ショパン・コンクールにも出場予定ということで、事前審査の録画も探して聴いてみた。残念ながら、あまり好みの演奏ではない。やや荒削りの印象もある。

その他、バッハとカプースチン(↓)を聴いてみた。バッハは物足りない。カプースチンは、聴いた中では一番いいと思った。曲が彼に合っているのかもしれない。




全体的には、良くも悪くも20歳の「若い演奏」という感じ。技術的にもしっかりしていて、音もきれいなので、将来的には楽しみかもしれない。ただ、コンクールでは評価されてもいいような気もする。

上記の辛口のコメントは、あくまで「鑑賞する音楽」として、かつ「私の好み」というフィルターを通しての感想である。


もう1人が、レイチェル・ナオミ・工藤(USA:Rachel Naomi Kudo)。プロフィールはこちら。アメリカ生まれの日本人?

YouTubeの音源で、こちらもルービンシュタインでの録画があったので聴いてみた。


曲目は、Haydn Sonata Hob. XVI/50 in C Major、Carl Vine Piano Sonata No.1 (1990)、Debussy Prelude No. 10 from Book I "La Cathedrale Engloutie"、Ella Milch-Sheriff Reflections on Love, No. 1,4,2、Chopin Scherzo No. 3 in C sharp Minor Op. 39。


丁寧に弾いていて、音色もまろやかできれい。なのだが、音色のパレットが少ないというのか、音の粒立ちのレンジ(幅)が狭いという感じがした。(そんな言い方があるのかどうか分からないが…)

優等生的な演奏なので、コンクールではある程度のところまで行くのかも知れないが、「良い演奏」以上のものは感じられなかった。

ただ、選曲が面白くて、知らない作曲家が2人も入っている。Carl Vine と Ella Milch-Sheriff の2人。特に後者の曲は面白い。私の曲の好みのせいか、演奏もこの作曲家の曲が一番活き活きしているように感じた。この作曲家は一度調べてみる価値がありそうだ。


…ということで、とりあえずは(日本人以外では)この2人に注目してみようかと思った。ところが、先日発表されたスケジュール表を見ると、なんと "Naomi Kudo" の名前が見当たらないのだ!

不思議に思って、Leedsの公式サイトを確認してみたのだが、"2015 Competitors"のページには "31. Rachel Naomi Kudo (28/F, USA)" と確かにあるのに、1st stage の予定表には名前が見当たらないのだ。

辞退とか何かあったのだろうか? それとも Leeds 事務局の単なるミス? まぁ、あと1週間ほどで分かることではあるが…。(それにしても、未だに何の発表もないということは、コンクールでの演奏が日本では聴けないということなのか?)



【関連記事】
《リーズ国際ピアノコンクール2015、8月26日から》


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