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2015年6月2日火曜日

江口 玲:たっぷりの響き ♪(お薦め日本人ピアニスト)

「お薦め日本人ピアニスト」(私のお気に入り候補)シリーズ?の2人目である。ニューヨーク在住の江口 玲(あきら)さん。(前回の児玉 桃さんはパリ在住)



江口 玲 photo: 堀田力丸


実は、YouTube で見つけたソロ演奏は下記の1曲のみ、しかも知らない曲。で、とりあえず聴いてみたのだが、これがなかなか美しい曲で、ピアノの音も演奏も実にいいのだ。



そのあと見つけた、江口 玲さんの公式サイトの曲目解説(下記)によると、この曲は「現在では滅多に演奏されることはない」そうだが、実にもったいない話だと思う。

セザール・フランク(1822-1890)の名作、バイオリン・ソナタ(1886)をフランスのピアノの名手、アルフレッド・コルトー(1877-1962)がピアノ独奏用に編曲したが、現在では滅多に演奏されることはない。元来のピアノパートもピアニストにとっては、かなりの難曲ではあるのだが、さらにバイオリンの旋律を重ね合わせたその編曲技術も、名ピアニストならではのものである。循環形式と言われるように、モチーフ、テーマが全楽章を通じて繰り返し現れ、全楽章が一つの大きなドラマを作り上げる。


どうやら、この曲は『LIVE ! ソナタ集』というCDに収録されているようだ。他にも何枚かのCDがリリースされている。

『LIVE ! ソナタ集』




1曲だけでは判断するのが難しいなぁと思って探してみたら、公式サイトのCDコーナーでいくつかの曲が試聴(30秒)できることが分かった。

30秒だけで判断するのもどうかとは思うが、「お気に入り」の判断材料となったものを紹介しておく。ちなみに、リストとショパンは微妙に私の好みとは違うような気がした(もちろん、全曲通して聴いてみないと…というのはあるが)。


これは良さそう!と思ったのは、いずれも『展覧会の絵』というCDに入っている曲である。

『展覧会の絵』



まず、ラフマニノフの前奏曲。Op.3-2、Op.32-12、Op.32-5 の3曲が入っているが、低音の豊かな和音の響き、高音部の陰影に富んだ旋律、いずれもこのあとの素晴らしい展開を予感させる。

それから、CDタイトルの「展覧会の絵」の第1曲「プロムナード」。颯爽とした出だしに続くたっぷりとした響き、粒立ちのいい音色、これも期待できそうだ。

もうひとつ、ラフマニノフ作曲の「パガニーニの主題による狂詩曲」の中の第18変奏を、江口さん本人がピアノソロ用に編曲したものが入っている。東京芸大の作曲科を卒業した(その後、ジュリアード音楽院のピアノ科など)人だけあって、単なる演奏者ではないところがいい。


ほかに、編曲としては『G.ガーシュウィン ピアノ作品集』などもあるようだ。ピアノ曲の作曲もしてくれるといいのだが…。


『G.ガーシュウィン ピアノ作品集』(全音)



下記は、KAJIMOTOのサイトから引用した簡単なプロフィール。より詳しくは公式サイト『Dear America, ピアニスト 江口 玲 』(日本語)をどうぞ。


ニューヨークを拠点に国際的に活躍を重ねる。ギル・シャハム、竹澤恭子など数多くの弦楽器奏者たちから共演者として引っ張りだこだが、ソリストとしても注目を集めている。2002年春にNYS CLASSICS より発売されたソロ・アルバム、「Dear America,」以降、「巨匠たちの伝説」、「Pctures at an Exhibition」、「ライヴ!ソナタ集」、「ライヴ!小品集」、「DearAmerica,・」、「Dear Chopin」など発売されたほぼ全てのソロ・アルバムがレコード芸術誌から特選盤の評価を得ている。


おまけ。この記事に戴いたコメントと私の返信。

dai(2015年06月10日 21:50)

演奏家としてもすばらしい方ですが
私には芸大の先生というイメージの方が強いです。
私のお気に入りのピアニスト實川風さんの先生なのです。


pia(2015年06月11日 16:55)

dai さん、
コメント、ありがとうございます。

たしかに芸大の先生ですね。芸大の教員総覧でやっと年齢が分かりました。(1963年生まれなので、52歳くらい、仲道郁代さんと同年代)

でも、海外のピアニストのこと(年齢)を考えると、まだまだ現役で頑張ってほしいと思います。むしろ、これから味が出てくるような気がします。

p.s. 實川風さんも聴いてみます ♪



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