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2014年9月14日日曜日

ピアノ音楽史:20世紀〔1〕世紀末から第一次大戦前後まで

※目的:20世紀のピアノ音楽史を概観する
※出典:「ピアノ音楽史事典」
    (千蔵八郎、春秋社、1996年)
 第8章 ドビュッシーの出現と20世紀はじめのピアノ音楽
 第9章 20世紀のピアノ音楽
 終章  ピアノ音楽の歴史は終わったのか?
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20世紀のピアノ音楽〔1〕

世紀末から第一次大戦前後まで

■ 概説

音楽が、時代を強く反映していることを求められるようになった。いいかえると、それぞれの時代思潮と関連があると思われる作品でないと受け容れられなくなってきた。

例えば、美術の思潮と対比してみると面白い。フォービズム(マチス等)とストラヴィンスキー、キュビズム(ピカソ等)とバルトークやシェーンベルク、など。

様々な芸術観とそれによる運動は、社会的に大きな影響を与えはしたが、個人的な芸術観の相違により常に変化していき、一つの方向で長く継続されることはなかった。

この時代の音楽は、機能和声による調性音楽からの離脱ないし拒否から始まる。その要素はドビュッシーに見られる。全音階や旋法による旋律、伝統的和声からの離脱や不協和音の多用、不規則なリズムやクロス・リズム(ポリリズム)などである。

その先に、無調音楽を目指したシェーンベルクの12音技法が出現する。彼とその弟子、ベルク、ウェーベルンらを「新ウィーン学派」とよぶ。

ただ、すべてが無調音楽に向かったわけではない。ベルクの《ソナタ》が作曲された1908年に作られた他の作品を列挙するとそれがよくわかる。ラヴェルの《夜のガスパール》、プロコフィエフのソナタ第4番、フォーレのノクターン第9番とバルカロールなどだ。また、シェーンベルクが無調音楽を書き続けていたころに、ドビュッシーは《前奏曲集》を書いている。

従来の音楽語法の延長上で新しいものを求める作曲家と、新たな音楽語法を創り出そうとする作曲家たちが共存していた時代でもある。


■ 主な作曲家とピアノ作品


シェーンベルク(1874-1951)

・3つのピアノ曲 Op.11
・6つの小さなピアノ曲 Op.19
・5つのピアノ曲 Op.23
・ピアノ組曲 Op.25


ベルク(1885-1935)

・ソナタ Op.1


ウェーベルン(1883-1945)

・ピアノのための変奏曲 Op.27


バルトーク(1881-1945)

・アレグロ・バルバロ Sz49
・ソナチネ Sz55
・組曲 Sz62
・ソナタ Sz80
・野外にて Sz81
・ミクロコスモス(第1巻〜第6巻)Sz107

・ピアノ協奏曲 第2番 Sz95
・ピアノ協奏曲 第3番 Sz119


ラフマニノフ(1873-1943)

・プレリュード 嬰ハ短調 Op.3-2
・10のプレリュード Op.23
・13のプレリュード Op.32
・練習曲集《音の絵》 Op.33
・練習曲集《音の絵》 Op.39
・ピアノ・ソナタ 第2番 Op.36
・V.R.のソナタ
・コレリの主題による変奏曲 Op.42

・組曲 第1番《幻想曲》Op.5(2台のピアノ)
・組曲 第2番 Op.17(2台のピアノ)
・交響的舞曲 Op.45(2台のピアノ)

・ピアノ協奏曲 第2番 Op.18
・ピアノ協奏曲 第3番 Op.30


グラズノフ(1865-1936)

・ピアノ・ソナタ 第1番 Op.74
・ピアノ・ソナタ 第2番 Op.75


シマノフスキ(1882-1937)

・4つのエチュード Op.4
・ソナタ 第2番 Op.21


アイヴズ(1874-1954)

・3ページのソナタ


ストラヴィンスキー(1882-1971)

・ピアノ・ラグ・ミュージック
・ピアノのためのソナタ
・《ペトルーシュカ》からの3章

・2台のピアノのための協奏曲
・2台のピアノのためのソナタ



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