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2014年5月6日火曜日

アンヌ・ケフェレックさんのラヴェルに感激!

昨日、ラ・フォル・ジュルネの最終日。出来たての「よみうり大手町ホール」でアンヌ・ケフェレックさんのリサイタルを聴いた。病欠?のヨーゼフ・モーグに代わっての出演で、ほとんど知らない人だったのであまり期待してなかったのだが、これが素晴らしかった。

曲目はベートーヴェンの「月光」ソナタとラヴェルの「鏡」。


「月光」を聴くのは久しぶりだった。こういうよく知っている曲は、自分のイメージと違ったら嫌だなあ、なんて思いながら聴いてしまうのだが、けっこういい感じであった。

第1楽章はイメージどおりの演奏、ピアノの音色もいい。第2楽章はもう少し軽やかな方が好きかもしれない。第3楽章も勢いのある演奏でいい感じだったが、盛り上がりのピークの和音直前でのタメが私の感覚よりやや長すぎる感じ。

でも、全体的には満足できる「月光」だった。


で、2曲目のラヴェル。最初の音が鳴った瞬間から、期待感がふくらむ響きが広がる。ケフェレックさんの手と指が鍵盤上を自在に飛躍する。そして、ホールの中に音があふれ、飛翔する。私の一番好きな「海原の小舟」のキラキラ感の音もいい。音楽に安心して浸れる感覚である。

「鏡」を生で聴いたのは初めてだったが、イヤホンで聴くのとまったく違って、音の響きの空間的なイメージや余韻の存在感を実感できる。ラヴェルが表現したかったものがそこにある、という感じ。やはり、音楽は生がいい。

ラ・フォル・ジュルネの演奏会では珍しいアンコールも1曲弾いてくれた。サティのグノシエンヌ第1番。これも素敵な演奏だった。やはりフランス物はおてのものという弾きかたである。


それにしても、年齢を感じさせないあのエネルギーはどこから湧いてくるのだろう。演奏を終えてお辞儀をする姿は、ほんとうに小柄なかわいらしいおば様(66歳のはず)なのだが…。

アンヌ・ケフェレックさん、私の「お気に入り」ピアニストに追加である。

ちなみに、明後日(5/8)にリサイタルをやるようである。曲のレパートリーが多様ですごい。ラ・フォル・ジュルネの3日間でたぶん5回くらいのリサイタルを終えたばかりなのに、元気である。

日時:5月 8日 (木曜日) 19:00
場所:東京/ 王子ホール
曲目:ショパン:舟歌/リスト:水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ/ラヴェル:シャブリエ風に/プーランク:田園/セヴラック:古いオルゴールが聞こえるとき/ドビュッシー:月の光/サティ:ジムノペディ第3番/シュミット:グラス 他


ちなみに、よみうり大手町ホールはピアノ・リサイタルにはちょうどいい大きさで、座席もやや大きめで、落ち着いた感じが気に入った。

あと、マリー=カトリーヌ・ジローさんのマスター・クラスにも参加したのだが、その報告はまた明日。



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