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2014年3月23日日曜日

音大の卒業演奏会を聴きに行った

縁あって、とある音大の卒業演奏会を聴きに行った。初めての体験である。それほど期待してはいなかったのだが、意外によかった。

一つには、日ごろほとんど聴くことのないフルートの演奏をいくつか聴くことができたこと。とくに現代曲は面白かった。吹き方が多様なだけでなく、吹かずに穴をふさぐ動作で打楽器のような音を出すなど、奏法の進化を感じた。


ピアノは6人の演奏を聴いた。いろんな曲をいろんな演奏家で聴き比べできるのは実に興味深い。違いがよくわかる。同じピアノなのに、まったく違う音がする。

曲目は、リスト、ベートーヴェン、スクリャービン、ブラームスなど。選曲も含めてそれぞれの学生さんの性格がうかがえて、そういう面でも面白かった。


こういう演奏会では、いつも思うのだが、馴染みのある曲は不利だ。

ベートーヴェンのOp.110のソナタは一生懸命弾いていて、初心者の立場からするとすごいと思うのだが、鑑賞者の立場からするとやはり物足りなさが残る。ブラームスも模範演奏のような感じでやや退屈であった。(曲のせいもあるかもしれないが…)


そのなかでの圧巻はスクリャービンの幻想ソナタであった。

音の響きが他の演奏者とまったく違っていた。輝いていて音がくっきり聞こえてくる。そして何といっても音楽の流れが澱みなく、かつコントロールされている。選曲も合っていた(私自身の好みにも合っていた)のだろうが、学部卒業生でここまで弾ける人がいるとは驚きだ。


最後(トリ)の男子学生が弾いたリストのソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」もよかったのだが、少ししつこいというか重かった。そういう曲なんだと思うが、もう少し違った料理法があるのでは?という感じであった。


全部で3時間以上聴いていたことになるが、バラエティにとんでいることもあり、充分に楽しめた演奏会であった。卒業演奏会はほとんどが無料か格安料金だそうなので、お薦めかもしれない。他の音大も探してみたが、今年は残念ながら終わっているところが多いようだ。



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