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2013年11月23日土曜日

暗譜力?

なぜか暗譜ができるようになった。1年ほどピアノを練習して、最初の頃は「暗譜なんてとんでもない」という状態だったが、最近いつの間にかできるようになったのである。

今練習中のベートーヴェンのソナタ8番の第2楽章と第3楽章、両方とも5分位の長さなので、あわせて10分の曲を暗譜してしまったのだ。これは自分でも驚くくらいの進歩である。

まあ正直に言うと、「進歩」かどうかは次の曲をやってみないと分からない。たまたまこの曲が私に合っていて、なぜか覚えやすかったかも知れないのだから…。


兆候は、その前に挑戦したバッハの4声のフーガからあった。この曲は難しすぎて途中で挫折したのだが、なにせ4声なので、指がしっかり覚えないと弾けないのだ。

そのため、自分に合った指使いをあれこれ試してその結果を指に覚えさせる、ということを繰り返しているうちに、前半だけではあるが自然に暗譜していたのである。


ピアノに関する本を読むと、「暗譜」というのは複数の要素からなるようである。

青柳いづみこさんの本『ピアニストは指先で考える』では「視覚的、聴覚的、運動感覚的、頭脳的・分析的」の4種類があると言っている。

視覚には楽譜と鍵盤+指がありそうである。聴覚にも、CDなどで聞いた「聞き覚え」というのと、自分が表現したい音のイメージのようなものがあるのでは、と思う。

運動感覚は「指で覚える」に当たる。頭脳的・分析的というのは「頭で覚える」あるいは楽曲分析などに相当すると思われる。




また、『ピアニストの脳を科学する: 超絶技巧のメカニズム』という本では、脳や神経の働きとしても「視覚や運動の神経細胞」が同時に働いている、ことが書かれている。

加えて、ピアニストは暗譜のために「複数の音をひとつにまとめて圧縮している(パターン化)」していることが指摘されている。この本は、ピアノを弾くということを科学的に分析・解説してあり、非常に参考になった。




いずれにしても、「暗譜力」のようなものがあって、それを鍛える方法が見つかるといいのだが、と思っている。今のところ、指使いに苦労して、なかなか弾けないところほど覚えやすい、という自分自身の経験論しかない。もう少し研究してみたい。



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