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2013年10月14日月曜日

Piano Lesson:和音の"Voicing"とメロディー

Piano Lesson、和音の応用編の続きである。テーマは"tonal balance & layering of sound"、つまり「音色のバランスと音の重ね合わせ」である。動画はこちら(↓)。

🎦Piano Lesson on Chord Voicing and Melody


最初に、シューベルトの即興曲 G♭major(Op.90-3)の冒頭を使ったデモンストレーションがある。「メロディーだけ」→「ボトムライン+メロディー」→「ボトムライン+ミドルハーモニー+メロディー」のそれぞれの演奏で、だんだんと音楽が豊かに出来上がっていく様子が分かる。

これを美しく弾くには「テクスチャーのコントロール」が重要となる。トップライン、サポートするベースライン、ミドル和音ハーモニーのそれぞれが相応しい音色で重ね合わせられる必要がある。


練習方法は、前回紹介した「マイミング」(指をキーの表面に触るだけで音を出さない弾き方)を使う。メロディーラインを歌わせて、ボトムラインでしっかりサポートして、ミドル部分だけを「マイミング」する。

この練習によって、各パートの「テクスチャーのコントロール」が格段に上達する、と講師の Graham Fitch 氏は請け負っている。


次に、とくにメロディーラインで重要になる「カンタービレ・タッチ」または「シンギング・トーン」の練習方法である。

トップ・ミドル・ボトムの弾き分けは音の強さだけではなく「音の質」が大事である。音の質を変えるには、まず歌手、ヴァイオリニスト、フルーティストなどの真似することから始める。

メロディーを歌ってみることが非常に役に立つ。歌うことで、息継ぎの場所や高いところと低いところの歌い方の違いが分かるはずである。

歌では、すべての音が同じ大きさ・強さになることは、普通ありえない。(逆に、ピアノではすべての音を同じ強さで弾くことは比較的容易である。)


柔らかい、歌うような音色を出すためには、手のポジション・指をより平らにして、打つ(strike)のではなく、撫でる?(stroke)ような動きで弾く方がよい。

また、メロディーを滑らかにするコツの一つとして、長く伸ばした音の次の音は小さめにソフトに弾く、というやり方がある。

ピアノの音はすぐに減衰するので、同じ音量で弾くと、そこが飛び出してしまう。したがって、次の音は(前の音の)減衰した音量に合わせた音量でソフトに弾き、そのあとのメロディーの中で音量を戻していく、という方法をとる。


最後に「カンタービレ・タッチ」の簡単な練習方法が紹介されている。

右手の「12345」の指を「E F# G# A# C」に置いて、「123454321」と弾くのだが、このとき、指は平らにして、指の動きより手首上下動で弾く練習である。


【感想】

「ボトムライン+ミドルハーモニー+メロディー」で出来ている曲は多いと思うので、この「テクスチャー・コントロール」と「カンタービレ・タッチ」はぜひ身につけたいと思った。

いま練習している、ベートーヴェンのソナタ8番の第2楽章でも使えそうである。というか、使えるようになりますように…。



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