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2021年5月18日火曜日

クリーヴランド国際コンクール新しい!Semifinalで2台ピアノ曲/連弾曲 ♪

たまたま見たクリーヴランド国際ピアノコンクールのサイトで、面白いものを見つけた。セミファイナリスト 8人が、ソロリサイタル以外に 2人ずつ組んで「2台ピアノのための曲」または「連弾曲(4手)」を弾くラウンドがあるのだ!♪

国際ピアノコンクールでは初めてのことではないかと思われるが、新しい試みはそれだけではない。クリーヴランド、コロナに負けずに頑張っているなぁ…(^^)♪



クリーヴランド国際コンクールは、2003年に福間洸太朗さんが優勝したコンクール。優勝賞金が US$75,000 と高額なことでも有名?かも…。

2020年開催予定だったものが 1年延期されて、今年 7月8日〜8月11日の開催となった。

コロナの影響で、第1・第2ラウンドは事前録画のビデオによる "virtual" 審査となったが、セミファイナル以降は米国オハイオ州のクリーヴランドで開催されることになっている。

第1ラウンド(20分)・第2ラウンド(30分)の二つのリサイタルで、27人のコンペチタから 8人のセミファイナリストが選ばれる。曲目は、ショパンのエチュード 1曲と古典ソナタ(モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンから)1曲以外は自由。


で、セミファイナルがちょっと面白い。ここからはホールでの演奏。

一つは、40分のリサイタルの課題曲に委嘱作品が含まれる(のは普通…)のだが、その曲が「ボヘミアン・ラプソディー」などのポピュラー曲をアレンジした作品なのだ。

Alexey Kurbatov という作曲家/ピアニストによる "virtuosic popular music transcription" というもので 4曲用意される。原曲は下記。どれを弾くかは選べるようだ。

  • Olympic Fanfare by John Williams
  • Bohemian Rhapsody by Queen
  • “America” from West Side Story by Leonard Bernstein
  • Themes from Mission Impossible by Lalo Schifrin


で、もう一つがタイトルに書いた「2台ピアノ曲/連弾曲」。

8人のセミファイナリストはランダムにペアが指定されて、次のどちらかを弾くように指示されるらしい。二人で曲を作り上げていくときの "musicianship" を見ると書いてある。

  • MOZART:Sonata for Two Pianos in D Major, K. 448
  • SCHUBERT:Fantasie in F Minor, D. 940(連弾)

二人のどちらがプリモを弾くかどうやって決めるのだろう。いや、そういうのも含めての "musicianship" なのかな…(^^;)?


ファイナルには 4人が進んで、室内楽とコンチェルトを弾くことになる。

コンチェルトの方はオーケストラの規模が、コロナによる規制(ステージ上の人数制限など)によって変わる可能性があるため、小規模・中規模(50人以下)・大規模の 3つのカテゴリに分けた候補曲リストをコンペチタに配布しているようだ。

5月末には結論を出したいと言っているが、どうなるのだろう…?


その他、コンクール全体を通しての賞として "Female Composer Prize" というのが追加されている。

いわゆる "diversity"(多様性)を目指すということで、とり上げられることの少ない女性作曲家による作品の演奏機会を増やすことを目的としている。いいことだと思う…(^^)♪


ちなみに、クリーヴランド国際コンクールの主催者 "Piano Cleveland" は、昨年延期が決まったときに、完全オンラインのコンクール "Virtu(al)oso" というのを開催している。

このときの記事(↓)に、クリーヴランド国際コンクールのことも書いている。



その時点で、コンペチタは 29人(242人から選ばれた)だったのだが、現時点では 27人になっている(↓)。日本人の 2人(近藤愛花、安並貴史)は入っている。


コンペチタの写真(↑)を見ていて気が付いたのだが、エリザベートのファイナルに残った、独特のバッハ(BWV904 ファンタジーとフーガ)を弾いた Vitaly Starikov も参加している。

もう一人、予選で姿を消したロシアの Daria Parkhomenko の写真もあった。


おまけ。予選のビデオ録画会場は世界各地に同じ条件で用意する必要がある。それは大変な作業なので、コンクールどうしでも協力しあっていたりするようだ。

リリース記事の PDF(↓)にこんなことが書いてあった。

It quickly became clear that the number of recording locations would need to be increased. “We used our own contact list and teamed up with our friends at the Leeds, Rubinstein, and Sydney competitions,” Kohlberg said. “We have some mutual contestants, so we managed to find a way for them to record for multiple competitions at the same time.”


つまり、クリーヴランドの関係者は、リーズ、ルービンシュタイン、シドニーなどのコンクールの友人と協力していて、例えば、共通の(両方のコンクールに出ている)コンテスタントについては、一度で両方のコンクール用のビデオを撮る、などの便宜を図っていたりするようなのだ。まぁ、参加するピアニストからするとありがたいやり方だ…(^^;)♪



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