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2017年11月6日月曜日

ピアノ曲の28段階難易度について

このブログでは「28段階の難易度」というのを使っているが、これは故 田所政人 先生の「あるピアニストの一生」というサイトから借用しているものである。

このサイトは 2023年夏頃からリンク切れになっているので、下記に "web.archive.org" にある「アーカイヴ」へのリンクを貼っておく。また、難易度に関する  Q&A の内容と、ツェルニーの練習曲集などの難易度を文末に転記しておく。

✏️あるピアニストの一生(アーカイヴ)

以下に、私が勝手に分けている「最上級/上級/中級/初級上」の区分と、各難易度レベルに含まれる代表的な曲を示す。


 最上級:28〜24
※一覧はこちら➡️《難易度別ピアノ曲(最上級)》

難易度代表的なピアノ曲
28シューベルト:さすらい人幻想曲
ショパン:ソナタ No.2, 3、バラード No.4
27ショパン:バラード No.1, 3
ラヴェル:水の戯れ
26ショパン:ノクターン No.13、バラード No.2
ベートーヴェン:ソナタ No.26, 28, 30, 31
25シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集 op.6
ドビュッシー:喜びの島
24シューマン:アベッグ変奏曲 op.1
ラヴェル:ソナチネ


 上級:23〜19
※一覧はこちら➡️《難易度別ピアノ曲(上級)》

難易度代表的なピアノ曲
23シューマン:パピヨン op.2
ベートーヴェン:ソナタ No.17(テンペスト), No.24(テレーゼ)
22シューベルト:ソナタ No.13(D664/ Op.120)
ベートーヴェン:ソナタ No.8(悲壮)
21ドビュッシー:前奏曲集 第1集〈10 沈める寺〉
リスト:コンソレーション No.6
20シューマン:森の情景 op.82-8〈狩の歌〉
ドビュッシー:ベルガマスク組曲〈2 メヌエット〉〈4 パスピエ〉
19ドビュッシー:ベルガマスク組曲〈3 月の光〉
ラヴェル:クープランの墓〈3 フォルレーン〉


 中級:18〜13
※一覧はこちら➡️《難易度別ピアノ曲(中級)》

難易度代表的なピアノ曲
18ドビュッシー:子供の領分〈グラドゥス・アド・パルナッスム博士〉
リスト:愛の夢 No.2
17シューマン:幻想小曲集 op.12-1〈夕べに〉
ドビュッシー:子供の領分〈ゴリウォーグのケークウォーク〉
16シューマン:幻想小曲集 op.12-3〈なぜ〉
ドビュッシー:子供の領分〈人形へのセレナード〉
15シューベルト:楽興の時 op.94-2/3/6
ドビュッシー:アラベスク No.1、前奏曲集〈亜麻色の髪の乙女〉
14ドビュッシー:子供の領分〈象の子守歌〉
モーツァルト:ソナタ K.545
13ドビュッシー:子供の領分〈小さな羊飼い〉
ベートーヴェン:エリーゼのために


 初級上:12〜10
※一覧はこちら➡️《難易度別ピアノ曲(初級上)》

難易度代表的なピアノ曲
12シューマン:子供の情景 op.15-13〈詩人のお話〉
チャイコフスキー:四季 op.37 bis-3〈雲雀の歌〉
11シューマン:子供の情景 op.15-1〈異国から〉
プロコフィエフ:こどものための音楽 op.65-1〈朝〉
10シューマン:こどものためのアルバム op.68-19〈小さいロマンス〉
プロコフィエフ:こどものための音楽 op.65-3〈おとぎ話〉


追記@2023/09/30:あるピアニストの一生「難易度について Q&A」「練習曲集(の難易度)」から転記。


Q1.なぜ難易度が28という中途半端な数までなのか。

そもそもは私の教室で腕前を示す数値だったのです。レベルの7とか10とかいう感じで。それでレベル7の生徒用の教材が難易度7。

難易度の方は28までですが、レベルの方は30まで。すなわちレベル29は難易度28の曲を含めて、一人でリサイタルが開ける程度の腕前。レベル30は国際コンクールに入賞できるくらいの腕前、ということです。(実際はもう少し複雑な歴史があるのですが、どうでもいいようなことなので割愛)

Q2.難易度を決める際の速度は、楽譜に記載されている速度でしょうか。

結論から言うと違います。ええ、非常に曖昧な表現ですが、普通の生徒が普通に努力したらこれくらいの速度だろうな、というくらいの速度です。

作曲者もしくは編著者によってメトロノームで指示されているスピードは、その曲の理想型のスピードです。従って普通の生徒の普通に仕上がるスピードよりは相当速いです。どれくらい速いかと言われると困るのですが、ブルグミュラーの大特集に各版のテンポをのせていますが、あの内シンコー(バトラー)版の遅い方のスピードが、多少参考になるかもしれません。曲によっては半分くらいのスピードです。

一般に速めの曲ほど、理想型のスピードと実際のスピードの差が大きく、ゆっくり系の曲はほとんど差はありません。また初級ほどその差は大きく、上級では差は少なくなってきます。

Q3.難易度には何か基準があるのでしょうか。

難易度については、古~い歴史がありまして、30年ほど前に私がピアノを教えはじめて間もない頃、チェルニー等の練習曲を基準にして、最初作成しました。

それ以降修正に修正を重ね(細かい経緯は省きます)、現在は曲数が膨大となり、他の何かに依拠する必要もなくなっております。もちろんチェルニーも基準ではなくなっております。

過去に調べたおそらく1万曲以上の曲を難易度の低いものから順に並べて線引きした、というのが、現在最も実状に近いかと思います。


練習曲集の難易度

  • ツェルニー リトルピアニスト Op.823:2-12
  • ツェルニー 30番練習曲 Op.849:11-15
  • ツェルニー 40番練習曲 Op.299:14-22
  • ツェルニー 50番練習曲 Op.740:21-26
  • ツェルニー 100番練習曲 Op.139:4-13
  • ヘラー 30の練習曲 Op.46:10-18
  • モシュコフスキー 20の小練習曲 Op.91:16-20
  • レッシュホルン 練習曲集:13-21



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2 件のコメント:

  1. 難易度表で自分の実力がある程度分かりますね。必死で取り組んだラヴェルのフォルラーヌが19でちょっとがっかりですが、妥当かと。

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  2. この「28段階難易度」というのは「あるピアニストの一生」というサイト(故田所政人先生)から引用させて戴いているのですが、私自身とても重宝して使わせて貰ってます。自分の実力がある程度分かるという利点もあり、また選曲のときの心強い味方になります。ただ、私のような独習者というのは、得意・不得意なパターンがあるようで、難易度が低くても弾けなかったり、難易度が高くても何とか弾けてしまったりすることもあります…(^^;)。

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