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2017年3月30日木曜日

ソン・ヨルム:モーツァルトも現代曲も明快!♪

ソン・ヨルム(Yeol Eum Son)という名前は、『ヴァンクライバーン 国際ピアノコンクール 』という本を読んで初めて知った。

辻井伸行クンとハオチェン・チャンが1位になったクライバーン・コンクールで2位になった韓国の女性ピアニスト。





それほど興味をひかれた訳ではなかったのだが、YouTube でハオチェン・チャンの音源を探しているときにたまたま見つけたモーツァルトのコンチェルトを聴いてびっくりした。

それがこの(↓)ピアノ協奏曲第21番なのだが、音が明快で歯切れがいい、こんなに活き活きとしたモーツァルトはあまり聴いたことがないかもしれない。女性には失礼かもしれないが「男前」な感じのモーツァルトだ。とてもいい ♪

Mozart - Piano Concerto No. 21, K.467 / Yeol Eum Son


この演奏が2011年のチャイコフスキー・コンクールのものだったので調べてみると、このチャイコンでも2位になっている。このときの優勝はダニール・トリフォノフ、3位はチョ・ソンジンである。なるほど!と納得。

本人公式サイト "YEOL EUM SON" でいくつかの演奏を聴いたが、カプースチンやアルカンなどの難しそうな曲も軽々こなして、なかなかいい感じである。


もっと最近の演奏を聴いてみたいと思ってCDを探したら、1年ほど前にリリースされた『ソン・ヨルム - Modern Times』というのを見つけた。





"Modern Times" というタイトルだけあって、20世紀のピアノ曲で構成されている。

アルバン・ベルクのピアノソナタ、プロコフィエフの「トッカータ」、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカからの3楽章」、ラヴェルの「クープランの墓」と「ラ・ヴァルス」。

どれもいいが、とくにベルクのピアノソナタが気に入った。たぶん初めて聴く曲だが、難しそうな曲をさりげなく、しかもしっかりとした音楽として成り立たせている。この曲、お気に入りになるかも…。

ただ、ラヴェルは両方ともやや物足りない感じがした。

クープランの墓はちょっとあっさりしすぎている印象。「簡単に弾けちゃう感」?みたいなものがあって、もう少し音色に陰影があってもいいと思った。「メヌエット」だけはちょうどいい塩梅(あんばい)。

「ラ・ヴァルス」も軽やかで、これはこれでいいのだが、ちょっと変な言い方かもしれないが「健康的」すぎるように感じる。


おまけ1:「羊は憩いて草を食み」。

いろいろ聴いている中で、なかなかいい曲(↓)に遭遇した。

J. S. BACH - E. Petri Sheep may safely graze


とても可愛らしくて、リズミカルな繰り返しが耳に残る曲である。

調べてみると、J.S.バッハのカンタータ BWV208 第9曲アリア「羊は憩いて草を食み」のピアノ編曲版(編曲:E. Petri)であった。

IMSLP に楽譜があったので、ダウンロードして弾いてみた。…が、難しい…(^^;)。ソン・ヨルムはあんなに簡単そうに気持ちよく弾いていたのに…。でも、いい曲を教えてもらった ♪


おまけ2:佐村河内の?ソナタを初演!

さらに、ソン・ヨルムは意外なところに登場していた。なんと佐村河内騒動の中で、彼の?ピアノソナタを初演しているのだ。

✏️佐村河内守「ピアノソナタ 第1番・第2番」初演ツアーへ


こんな騒動に巻き込まれて、日本に来るのが嫌になったのではと心配したが、大丈夫のようだ。今年も5月に金沢で行われる「風と緑の楽都音楽祭」に出演することになっている。



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