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2015年6月5日金曜日

誠実な演奏?

いろんなピアニストの演奏を聴いていて、ふと感じることがある。「誠実」な演奏と、そうでない演奏。

上手下手ではなく、一生懸命弾いているかどうかということでもなく、弾き方(表情や動作)でもなく、演奏全体?から滲み出てくる何か…。


たとえば、「誠実」でない演奏というのはどういうときに感じるかというと…。


上手に弾いているんだけど、何か面白くない演奏というのがある。

弾いている本人が、その曲を本当にいいと感じていないのではないか?と思うような演奏である。音もしっかり出ていて、強弱もつけられているのだが、その音が本心から出ていないような感じ…。あくまで聴き手(私)の印象であるが…。


音自体がちゃんと出てなくて上滑りしている場合もある。

音に「芯」がないというのか、心を込めて打鍵してないように感じる音である。聴き手に音楽を届けようとする気持ちが感じられない。もしかすると技術的なことかもしれないが、プロのピアニストでそんなことはないはずだ。表現の一つとして、そういう音色を出す場合は別だが…。


もう一つは「乱暴」な演奏である。

弾く動作が乱暴というのではなく、音が乱暴に聴こえる場合である。音色もきたなく濁っていて、音楽を壊しているとしか思えないことがある。力強さと粗暴さを混同しているのか、あるいは「ピアノは強い大きな音を出すことがいいことだ」という信念を持っているのか?


一方、アマチュアの演奏で、上手ではないが、音楽に対する誠実さのようなものを感じる演奏に遭遇することもある。子供が一生懸命に弾いている可愛らしさ…とかではなく、弾いている本人がその曲をとても好きで、その音楽と一体になっているような演奏である。

プロのピアニストの場合にも、たまにそういう演奏がないではない。たとえば、地味な演奏で私の好みではないのだけど、なぜか最後まで聴いてしまうような演奏である。そして、聴き終わったあとの気持ちもなんとなくいい感じになっている。


…と、まったく私自身の感じ方を気の向くままに書いてみたが、一つ気がかりなことが出てきた。

ここまで、当然のように自分の「誠実さ」は棚に上げていたのだが、私の弾くピアノの音はどんな風に聴こえるのだろう? 下手なのは保証付きであるが、せめて不誠実な音がしてなければいいと思う…(^^;)。



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