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2014年2月14日金曜日

「バレンボイム音楽論」:プレリュード

『バレンボイム音楽論』 読書メモ(1)
 ※目次・紹介は→本「バレンボイム音楽論」:紹介

【プレリュード】
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●抜き書き

いたるところで音楽が流れているというそのことが、音楽をきちんと社会に組み入れることをなによりもさまたげているのだ。

本書は音楽家のための本でも、音楽家でない人のための本でもなく、音楽と人生のあいだの相似を、そして考える耳には聞きとれるようになる知恵をみつけだしたいと願う、好奇心に満ちた人のための本である。

私は耳の知性を発展させることはだれにとっても不可欠だと信じている。…私たちは、音楽を聴く側であろうと演奏する側であろうと、人生に役立つ多くのことを音楽の構造、原理、法則などから学ぶことができるのだ。

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●感想など

この章は「プレリュード」、ふつうは「はじめに」とか「まえがき」なのだろうが、音楽家らしく前奏曲となっている。ここで、この本の基調となる考え方が示されていると言っていいだろう。

バレンボイムは、人びとが音楽ともっと正面から向き合ってほしいと願っているのではないだろうか。

あとの章にも出てくるが、音楽が普及するのはいいのだが、あまりにも安易に世の中のいたるところに音楽が組み込まれてしまっている、という状況がある。それも、音楽そのものより、それによる「効果」(例えば商業施設での集客・購買意欲促進、「ヒーリングCD」など)に重点がおかれている。

音楽は、もっと意味のある、人生に役立つものである。そして、人びとはもっと音楽を学び、音楽からもっと多くのものを引き出してほしい、と言っているような気がする。

したがって、この本は「考える耳で知恵を見つけ出したい」人びとに向けて書かれている。


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