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2013年12月26日木曜日

本 「ピアノ演奏芸術」:第1章 音楽作品の〈芸術的イメージ〉

●「第1章 音楽作品の〈芸術的イメージ〉」からの抜き書き
 (※印は私のコメント)

1.〈芸術的イメージ〉とは「音楽の内容、意義、詩的本質」、音楽作品の根底、根源にある本質の意味。 ※→その「本質」がなかなか理解できない…


2.(音楽教育は)音楽的には適性のない人から、天賦の才を有する不世出の人物まですべてを包み込むべき。
※前者:音楽は他の諸分野と並んで文化を伝えるための手段 →多くはここ?
※後者:天賦の才を磨き上げる


3.〈芸術的イメージの探求〉は音楽や楽器を学び始めた第1歩より始まっている…。
理解したばかりの音符をつかって(音楽的な、おなじみの)メロディーを作ってみせる
→聴覚と視覚を関連させて働かせる→それを楽器で再現できるように教える
→演奏が表情豊かになる(演奏の特徴が内容の特徴とあう)ように指導する


4.教則本的練習曲:生徒にはっきりとした一定の目的をもたせ、そこに向けて厳格に進める(速さ、強さ、アクセント、など)。


5.本物の芸術作品(平易であっても)への取り組み方は異なる。
→情緒的高揚、作品に相応しい弾き方(テンポ・強弱・ニュアンス)への意識
→本人が感じ、考えることで、〈芸術的イメージ〉をピアノの響きのうえに具体化する学習の
  萌芽の段階を経験できる (※…ようにする必要がある)


6.あらかじめ捉えられたイメージ、感覚、…音楽を感じとる内部聴覚、(審美的・知的な)理解、これらすべてが演奏となるのです。


7.指揮者が総譜を読むようにピアノ作品を読むこと。→作品を全体的に学ぶ、作品を構成部分(和声的・ポリフォニー的)に分解する、分解されたもののなかに〈大切なもの〉〈副次的なもの〉を検討する、作品の決定的〈急転換〉部分にはとくに注意を払う。


8.より強く人生を愛し・感じさせ・理解させるような演奏をする…


9.音楽には、言語や視覚的描写による解説・説明は不要。なぜなら、あらゆる音楽はそれ自体でひとつの完結した言語であり、明確な表現手段であるからであり、音楽は一定の内在する意味を持っているからです。→音楽を理解するための一連の原則が存在します。つまり、音楽理論、和声・対位法、音楽の構成(分析)など。これらは永遠に発達・分化をつづけます。


10.心の底から音楽に感動し、取り憑かれたように自分の楽器で練習している者、音楽や楽器を心から愛している者は、名人芸的なテクニックを習得するでしょうし、作品の〈芸術的イメージ〉を他者に伝えることもできるでしょう…。



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●考察


〈芸術的イメージ〉とそれを表現した演奏に関連する説明を抜き出してみる。

  ①「音楽の内容、意義、詩的本質」、音楽作品の根底、根源にある本質
  ②作品内容の特徴=演奏の表情となるべき
  ③音楽を感じとる内部聴覚、(審美的・知的な)理解
  ④音楽作品自体が明確に「意味」を表現している→それを理解し演奏で具体化する
  ⑤より強く人生を愛し・感じさせ・理解させるような演奏

なかなか難しいのだが、音楽作品が何を表現し意味しているかを理解する審美的・知的能力が必要であり、その意味内容は人生とか詩的本質とかいった深さを持っているもの、ということのようだ。

そして、8.のような演奏をするためには「名人芸的なテクニック」が必要になるということらしい。それを身につけるには「心の底から音楽に感動し、取り憑かれたように練習」する必要があるが、その前に「天賦の才」も要求されている。

まあ、「音楽的には適性のない人」に属する身としては、音楽(を一般人が楽しむ)という文化を伝えることに少しでも貢献できればいいのではないかと思う。



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