調べてみると、なかなか充実した音楽祭のようだ。
ギルモア・キーボード・フェスティバルというのは、ギルモア財団（Irving S. Gilmore Foundation）によって1991年に設立され、ミシガン州南西部カラマズー郡（Kalamazoo, Michigan）で 2年に一度開催されている音楽祭である。
ギルモア氏（Irving S. Gilmore）とはこの地域のビジネスマン・慈善家であり、音楽やピアノの愛好家でもあった。1986年に亡くなっている。
フェスティバルはクラシック（ピアノや室内楽）を中心にジャズなどの多くのコンサートが3週間近い期間中に開催される他、マスタークラスや教育的なプログラムも行われる。
また、ピアノコンクールがない代わりに2つの "award"（賞）がピアニストに与えられる。当初はコンクールも検討されたようだが、"non-competitive process" の方がいいということで、この "award" になったようだ。
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"award" の一つは、芸術性でとくに秀でたピアニストに対し、4年毎に一人に与えられる "Gilmore Artist Award" で、$300,000 が授与される。審査は本人に知らせることなく、4年間をかけて行われる。
今年はイゴール・レヴィットが受賞している。これまでの受賞者は以下の通り。
Rafał Blechacz (2014) Poland
Kirill Gerstein (2010) USA
Ingrid Fliter (2006) Argentina
Piotr Anderszewski (2002) Poland
Leif Ove Andsnes (1998) Norway
Ralf Gothóni (1994) Finland
David Owen Norris (1991) England
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もう一つの「賞」は、22歳以下のピアニストが対象になる "Gilmore Young Artist Award" である。受賞者には $15,000 の奨学金が与えられる。
今年の受賞者は Elliot Wuu と Wei Luo という二人。（当然？）初めて聞く名前だが、これまでの受賞ピアニストを見てみると、近い将来どこかでお目にかかるかもしれない。
知っている名前だけあげてみるとこんな感じ。ユジャ・ワンもいる ♪
Daniel Hsu (2016)
George Li (2012)
Naomi Kudo (2008)
Yuja Wang (2006)
Kirill Gerstein (2002)
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さて、フェスティバルの方だが、詳しくは "2018 Festival Events" や "2018 Festival Brochure" を見て戴くとして、聴いてみたいピアニストがたくさん並んでいる ♪
ラファウ・ブレハッチ
ネルソン・フレイレ
ダニール・トリフォノフ
レイフ・オヴェ・アンスネス
キリル・ゲルシュテイン
ポール・ルイス
イゴール・レヴィット
レオン・フライシャー
イングリット・フリッター
等
プログラムを見ていて、もう一つ羨ましいと思ったことがある。それは曲目のバリエーションが現代曲も含めて幅広いということ。例えば、トリフォノフのプログラムはこんな感じ（↓）。
BERG: Piano Sonata, Op. 1
PROKOFIEV: Sarcasms, Op. 17
BARTÓK: Out of Doors
COPLAND: Piano Variations, 1930
MESSIAEN: Selection from Vingt Regards sur l’Enfant-Jésus
LIGETI: Selections from Musica ricercota
STOCKHAUSEN: Klavierstücke
JOHN ADAMS: China Gates
JOHN CORIGLIANO: Fantasia on an Ostinato
THOMAS ADÉS: Traced Overhead
トリフォノフはちょっと極端としても、アンスネスのプログラムにも "NIELSEN: Chaconne, Op. 32" とか "WIDMANN: Idyll and Abyss" とか知らない曲があるし…。
まぁ、本当にピアノ音楽を楽しもうと思ったら、やはり海外に住む（か行くか？）しかないようだ…(^^;) 。
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おまけ。フェスティバルのビール（Gilmore Festival Beer）もある…(^^)♪
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