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2017年2月10日金曜日

「楽譜を読むチカラ」読書メモ2

読書メモ:『楽譜を読むチカラ』
ゲルハルト・マンテル (著), 久保田 慶一 (翻訳)
音楽之友社 (2011/11/12)



4. リズム

35
私たちのリズム感覚はメトロノーム的ではなく、本来は心臓の鼓動や身体運動、言語などと関係しています。

音楽の拍動はそのときどきの音楽が持っている「心的な緊張」に反応するのです。

38(J.マッテゾンの言葉)
「魂を喜ばせてくれるのは、結合、交替、混合、逸脱と修正、加速、運動、沈静、遅延、静寂などの尽きることのない連続です…」

42
音節の強調は、演奏に修辞学のフィグール(音型、文章のあや)を適用するときに重要となります。拍を重くしたり軽くしたりすることは演奏手段としても有効で、聴衆の注意を喚起したり保っておくのに役立つからです。


5. 強弱法

48
すべての生命現象は曲線的に変化して直線的に変化しません。生命現象のひとつである音楽についても同じことが言えます。

49
どんな演奏者も常に自分で意図した大きさの音を出せなくてはなりません。

50
私たちの知覚は、すべての生物と同様に、変化や不均一に対して反応します。変化しないものは、信じられないくらいの速さで私たちの知覚から消えていきます。

51
「デルモータ(ウィーンの有名なオペラ歌手)のディミヌエンド」はその前の比較的平坦なクレッシェンドによって効果を得るのです。

51
強弱を変化させることをいつも意識していると、注意力つまり聴覚が洗練されてくるという驚くべき効果もあります。

51
強弱をどのように変化させるかを理解する上で、最もよいサンプルは「波」です。浜辺に押し寄せる波はひとつひとつがよく似てはいますが、どれひとつとして同じ波はありません。


6. アーティキュレーション

59
管楽器や弦楽器では、アルファベットのすべての子音を使って、音を立ち上げることができます。話し言葉の子音と楽器音の立ち上がりは完全には一致しないのですが、とてもよく似ています。つまり楽器のどの音も、b、p、d、k、t、s、w[ヴ] といった子音で始めることができるのです。

60
フレーズの最後の音はどのように終わらせるのがよいのでしょうか。たとえば短く「ba」と終わるのか、それとも長く延ばして「baaa」と終わるのか、同様に「m」と短く終わるのか、鐘のように長く延ばして「Bam」と終わるかです。

60
アクセントと音の立ち上がり(子音)はまったく別のものです。音の立ち上がりというのは語頭音であるのに対して、アクセントは音を強調することです。…柔らかくアクセントをつけて演奏することもできますし、硬くアクセントをつけずに演奏することもできます。

64
(アーティキュレーションのための)休符は決して音楽の流れを中断する休符ではありません。むしろその逆で、休符は音あるいはフレーズを相互に結びつけるのに役立っているのです。

70
珍しい休符として「難しさを軽減するための休符」があります。これは…アーティキュレーションのための休符の一種で、テクニック的に難しいところや気分転換が必要なときに使います。(たとえば弦楽器の和音の直前…)

また「難しさを軽減するためのリタルダンド」といっしょに用いますと、驚くほど美しい効果を生み出します。こうすればテクニック上とても難しいところであっても、音楽的にすぐれた効果を生み出すこともできるのです。…実用性と美しさが結合…

71
…この「大きな流れ」とは、実際に音が連続しているということでは決してなく、私たち自身が音楽を聴いて感じる音楽の「論理的な流れ」であるからです。
…休符の長さ…はテンポと密接に関係します。…休符の長さの許容範囲は、演奏者が想像するよりもはるかに広いでしょう。


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